危険物に関する法令

危険物に関する法令からの出題は15問です。

その中から出題傾向の高い問題について、例題【過去問題】を紹介し解説します。

指定数量

<問題>

法令上、同一の貯蔵所において、次の危険物を同時に貯蔵する場合、貯蔵量は指定数量の何倍か。

・軽油・・・3,000ℓ ・ガソリン・・・1,000ℓ ・エタノール・・・2,000ℓ

①10倍 ②11倍 ③12倍 ④13倍 ⑤14倍

<答え> 

 ④

<解説>

指定数量の倍数をそれぞれ計算して合算する。

軽油(第2石油類)指定数量は1,000ℓ 倍数は3,000÷1,000=3

ガソリン(第1石油類)指定数量は200ℓ 倍数は1,000÷200=5

エタノール(アルコール類)指定数量は400ℓ 倍数は2,000÷400=5

3+5+5=13

・予防規定

<問題>

予防規定に定めなければならない事項に該当しないのは、次のうちどれか。

①危険物の保安のための巡視、点検及び検査に関すること。

②危険物保安監督者が旅行、疾病、その他の事故によってその職務を行うことができない場合にその職務を代行する者に関すること。

③製造所等で取扱う危険物の需要と供給に関すること。

④製造所等の位置、構造及び設備を明示した書類及び図面の整備に関すること。

⑤危険物の作業に従事する者に対する保安教育に関すること。

<答え>

 

<解説>

予防規定の主な内容

1. 保安業務管理者の職務及び組織

2. 危険物保安監督者不在時の代行

3. 保安業務従事者に対する保安教育

4. 保安のための巡視、点検、検査

5. 危険物施設の運転又は操作

6. 危険物取扱作業の基準

7. 化学消防自動車の設置と自衛消防組織

8. 災害時における施設及び設備に対する点検、応急措置

9. 位置、構造及び設備を明示した書類及び図面の整備

上記の予防規定の内容を照らし合わせるとが間違っているとわかる。

・保安講習

<問題>

法令上、危険物の取扱作業の保安に関する講習について、次のうち正しいものはどれか。

①製造所等において危険物の取扱作業に従事している危険物取扱者のみ、一定期間内ごとに受講することが義務づけられている。

②危険物保安監督者に選任されている者のみ、受講することが義務づけられている。

③法令の規定に違反して罰金以上の刑に処せられた者のみ、受講することが義務づけられている。

④危険物施設保安員に選任されている者のみ、受講することが義務づけられている。

⑤移動タンク貯蔵所に乗車する危険物取扱者のみ、受講することが義務づけられている。

<答え>

 

<解説>

規定では、「製造所等で作業に従事している危険物取扱者危険物保安監督者は都道府県知事が行う危険物の取扱作業の保安に関する講習を受けなければならない。」となっています。

ポイントは、作業に従事しているという点に注目するとが正解であるとわかる。

・保安距離

<問題>

法令上、学校、病院等の建築物等から一定の距離(保安距離)を保たなければならない旨の規定が設けられている施設の組合せで、次のうち正しいものはどれか。

製造所       屋外タンク貯蔵所

②屋内タンク貯蔵所  地下タンク貯蔵所

③地下タンク貯蔵所  給油取扱所

④移動タンク貯蔵所  第2種販売取扱所

製造所       第1種販売取扱所

<答え>

 

<解説>

保安距離が必要な施設

製造所 ・一般取扱所 ・屋内貯蔵所 ・屋外貯蔵所 ・屋外タンク貯蔵所

保安距離の対象となる施設

・7,000V~35,000Vの特別高圧架空電線(3m以上)

・35,000Vを超える特別高圧架空電線(5m以上)

・敷地外の居住(10m以上)

・高圧ガス施設(20m以上)

学校病院、劇場などの多数の人を収容する施設(30m以上)

・重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡など(50m以上)

ポイントはタンクです。タンクを有する施設は屋外タンク貯蔵所のみです。保安距離が必要な施設を見てみると他は製造所が一致しています。よって正しい組合せはだとわかります。

・移送の基準

<問題>

危険物を移送について、法令上、次の文の( )内に当てはまる数値はどれか。

「危険物を移送する者は、当該移送の1の運転要員による運転時間が1日当たり( )時間を超える移送であるときは、2人以上の運転要員を確保すること。ただし、動植物油類その他総務省令で定める危険物の移送については、この限りではない。」

① 6  ② 7  ③ 8  ④ 9  ⑤ 10

<答え>

 

<解説>

移送の基準

1. 移送する危険物を取り扱える資格を持った危険物取扱者が乗車(同乗)し危険物取扱者免状を携帯すること。

2. 移送の開始前に、移動タンクの底弁、消火器等の点検を十分に行うこと。

3. 長距離、長時間(連続4時間1日9時間を超える場合)移送は、2人以上で行う。

4. 移送中災害等が発生するおそれのある場合は、応急措置後、消防機関等に通報する。

5. 移動タンク貯蔵所には、次の書類を備え付けておくこと。「完成検査済証」・「定期点検記録簿」・「譲渡、引渡の届出書」・「品名、数量または指定数量の倍数の変更の届出書」

・運搬の基準

<問題>

危険物の積載方法の技術上の基準として、次のうち誤っているものはどれか。

①危険物は、運搬容器の外部に、品名、数量等を表示して積載すること。

②危険物を収納した運搬容器が落下、転倒若しくは破損しないように積載すること。

③総務省令で定めるものを除き、類を異にする危険物を混載しないこと。

④運搬容器は、収納口を横に向けて積載する。

⑤危険物は、別に定める運搬容器に収納して積載すること。

<答え>

<解説>

運搬の基準とはトラックなどで容器に詰めた危険物を運ぶことを「運搬」といい、運搬にあたる場合は危険物取扱者免状は不要で(積み降ろしをする時は必要)運搬の際は容器の口を上向きにして密栓すること。危険物の入った容器は落下、転倒もしくは破損しないように積載すること。運搬の際には、運搬する危険物に適合した運搬容器を用い、何を運んでいるのか容器に品名数量等を表示しなければならない。

混載は第1類と第6類、第2類と第4類、第3類と第4類、第4類と第5類、第2類と第5類の5通りで規定の組み合わせ以外は混載禁止です。ただし、指定数量の1割以下の場合は特に規定はありません。

ポイントはマーカーでで記した部分が特に重要な部分です。

消火設備

<問題>

法令上、消火設備の区分について、次のうち第5種の消火設備に該当するものはどれか。

①屋内消火栓設備

②スプリンクラー消火設備

③泡消火設備

④ハロゲン化物を放射する大型消火器

⑤消火粉末を放射する小型消火器

<答え>

<解説>

消火設備の区分

区分 消 火 設 備
第1種 屋内消火栓設備、屋外消火栓設備
第2種 スプリンクラー設備
第3種 水蒸気消火設備、水噴霧消火設備、泡消火設備、二酸化炭素消火設備、 ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備
第4種 大型消火器
第5種 小型消火器、水バケツ、水槽、乾燥砂、膨張ひる石、膨張真珠岩

消火設備の設置基準

第5種消火設備(小型消火器等)は、防護対象物の各部分から歩行距離で20m以下第4種消火設備(大型消火器)は30m以下の設置基準が定められている。

・定期点検

<問題>

法令上、製造所等の定期点検について、次のうち誤っているものはどれか。ただし、規定に定める漏れの点検及び固定式泡消火設備の点検に関するものについては除く。

①点検は、原則として1年に1回以上実施しなければならない。

②点検記録は、一定期間保存しなければならない。

③危険物取扱者の立ち合いを受けた場合は、危険物取扱者以外の者でも定期点検を行うことができる。

④定期点検を実施した場合は、市町村長等に届け出なければならない。

⑤定期点検は、製造所等の位置、構造及び設備が技術上の基準に適合しているかどうかについて行う。

<答え>

<解説>

規定では、政令で定める製造所等の所有者等は、構造や設備などが技術上の基準に適合しているかをチェックするための定期点検を行わなければならない。危険物取扱者の有資格者、危険物施設保安員、または無資格者(危険物取扱者の立ち合いが必要)年に1回以上の定期点検を実施し点検記録をつける。また、点検記録は3年間保存しなければならない。

ポイントは定期点検に関しては届け出の項目は定められていない

・給油取扱所の基準

<問題>

給油取扱所の取扱いにおいて、誤っている基準は次のうちどれか。

①自動車の固定給油装置を用いて給油する際、自動車のエンジンは停止しなければならない。

②給油取扱所の専用タンクに危険物を供給している際、それに接続している固定給油装置は使用してはいけない。

③自動車等に給油する際は固定給油装置を用いて行う必要があり、手動ポンプ等は使用してはいけない。

④自動車等への給油は一部が給油空地からはみ出していても給油口が給油空地内であれば給油しても良い。

⑤給油取扱所で車両を洗浄する場合は、引火点のある洗浄剤は使用できない。

<答え>

<解説>

給油取扱所の取扱い基準

・自動車に給油するときは、固定給油設備を使用して直接給油する」。

・給油するときは、自動車のエンジンを停止して行う。

・給油空地からはみ出たままで給油しない

・専用タンクに危険物を注入するときは、タンクに接続する給油設備の使用を中止する。

・自動車の洗浄は、引火点を有する液体の洗剤を使用しない

・義務違反と措置命令

<問題>

法令上、製造所等又は危険物の所有者等に対して、市町村長等から発令されるめいれいについて、次のうち誤っているものはどれか。

①危険物の貯蔵取扱い基準の遵守命令

②製造所等の使用停止命令

③危険物施設保安員の解任命令

④予防規定の変更命令

⑤無許可貯蔵等の危険物に対する措置命令

<答え>

<解説>

措置命令

製造所等が順守すべき法令に違反した場合に、市町村長等が法令を遵守する行動を行うよう所有者等に命令すること。

義務違反に対する措置命令

義 務 違 反 措 置 命 令
危険物の取扱い、貯蔵が技術上の基準に満たしていない。 危険物の貯蔵、取扱い基準遵守命令。(守らないと使用停止命令)
位置、構造、設備が技術上の基準に適合していない。 修理、改造または移転命令。(守らないと許可取消命令)
公共の安全維持や災害発生防止のため必要があると認めたとき。 一時使用停止命令または使用制限命令
事故が発生したときに応急措置を講じてないとき。 応急措置命令
危険物保安統括管理者および危険物保安監督者が消防法に違反したとき。 解任命令。(守らないと使用停止命令)
火災予防のため必要があるとき。 予防規定の変更命令

基礎的な物理学及び基礎的な化学

基礎的な物理学及び基礎的な化学からの出題は10問です。

その中から出題傾向の高い問題について、例題【過去問題】を紹介し解説します。

・物質の三態

<問題>

物質の状態変化と熱の出入りについて、次のうち正しいものはどれか。

①液体が気体に変わることを昇華といい、熱を放出する。

②個体が液体に変わることを融解といい、熱を放出する。

③気体が液体に変わることを凝縮(液化)といい、熱を吸収する。

④液体が固体に変わる融解といい、熱を放出する。

⑤状態が変化するとき、吸収又は放出される熱は、その物質の温度変化となってあらわれない。

<答え>

<解説>

物質の三態は、気体液体個体である。

気体⇒ 液体に変わることを凝縮(液化)といい熱を放出「凝縮熱(潜熱)」する。
個体に変わることを昇華といい熱を放出「昇華熱(潜熱)」する。
液体⇒ 気体に変わることを気化(蒸発)といい熱を吸収「蒸発熱(潜熱)」する。
個体に変わることを凝固(固化)といい熱を放出「凝固熱(潜熱)」する。
固体⇒ 気体に変わることを昇華といい熱を吸収「昇華熱(潜熱)」する。
液体に変わることを融解といい熱を吸収「融解熱(潜熱)」する。

ポイントは熱の出入りに気を付ける。

・静電気

<問題>

静電気について、次のうち誤っているものはどれか。

①静電気は、個体だけでなく、液体にも帯電する。

②2種類の電気の不導体を互いに摩擦すると、一方が正、他方が負に帯電する

③静電気は、人体にも帯電する。

④静電気の帯電を防止するためには、空気中の湿度を低くする。

⑤静電気の放電火花は、可燃性の蒸気や粉じんが浮遊するところでは、しばしば点火源となる。

<答え>

<解説>

発生の防止 摩擦を少なくする。 蓄積の防止 接地(アース)する。
接触する2つの物質を選択する。 湿度を上げる。
導電性材料を使用する。 緩和時間をおいて放出、中和させる。
流速、速度の制限。 除電服、除電靴を着用する。
除電剤を使用する。 室内の空気をイオン化する。

・物理変化および化学変化

<問題>

物理変化及び化学変化に関する説明として、次のうち誤っているものはどれか。

①炭素が燃焼して二酸化炭素になる反応は、化合である。

②結晶性の物質が空気中で粉末等になる変化は、潮解という。

③酸素が他の物質と化合することを酸化という。

④他の物質との間で作用して酸化させる物質を一般的に酸化剤という。

⑤酸化物が酸素を失ったり、物質が水素と化合することを、還元という。

<答え>

<解説>

物理変化

物質の状態が変化する現象

・物質の状態変化(例:水が氷や水蒸気に変化。ドライアイスから二酸化炭素が発生〔昇華〕。炭酸ナトリウムの結晶がボロボロになる〔風解〕。にがりがドロドロに溶ける〔潮解〕。)

・物質の変形(例:ばねを伸ばす。)

・溶解(例:食塩を水に溶かし、食塩水をつくる。)

・混合(例:エチルアルコールとメチルアルコールやホルマリンを加え変性アルコールをつくる。)

化学変化

ある物質が別の物質に変化し元々もっていた性質が変化する現象。

・化合(2種類以上の物質が結合し別の物質になる変化。酸化反応、還元反応、付加反応。)

・分解(ある物質が2種類以上の物質に分かれる変化。熱分解や電気分解がある。)

・複分解(2種類の化合物が、原子や原子団を入れ変えて別の化合物になる変化。)

・置換(ある化合物中の原子または原子団が別の原子または原子団と置き換わる反応。)

・重合(同じ分子が2個以上結合して分子量の大きな化合物(高分子)をつくる反応。付加重合と縮合重合がある。)

・有機化合物

<問題>

有機化合物の一般的説明について、次のうち誤っているものはどれか。

①化合物の種類は非常に多いが構成する元素の数は少ない。

②反応速度が小さく、反応には触媒が必要なものもある。

③炭素原子に水素、窒素、酸素、硫黄、リン、ハロゲンなどが共有結合で結びついたものである。

④無機化合物と比べて融点や沸点が高い。

⑤水に溶けにくく、有機溶剤によく溶ける。

<答え>

<解説>

化合物の種類には有機化合物無機化合物があり、炭素の含有に関係している。炭素が含まれているものが有機化合物で、含まれていないものが無機化合物である。

有機化合物の分類

・炭素原子の結合による分類(鎖式化合物環式化合物

有機化合物の特徴

・炭素、水素、酸素、窒素等の少数の主成分とするが、化合物の種類は多い

・燃えるものが多い。

・水に溶けるものは少ないが、有機溶媒に溶けるものは多い。

融点、沸点が低いものが多い。

・非電解質のものが多い。

・燃焼の原理(燃焼の三要素)

<問題>

可燃物の燃焼に関することで、次のうち誤っているものはどれか。

①酸素の供給体は、空気だけではない。

②可燃物、酸素、熱源を燃焼の三要素という。

③静電気は着火源になる。

④蒸発(気化)熱や融解熱は着火源になる。

⑤可燃物は、気体・液体・個体に大別できる。

<答え>

<解説>

燃焼とは、発熱・発光を伴う酸化反応のことで、燃焼に必要な要素は「可燃性物質」「酸素供給体」「点火源(熱源)」の三つがあり、これらを燃焼の三要素といいます。

「可燃性物質」とは酸素と化合する物質のことで気体・液体・固体があります。

「酸素供給体」とは燃焼に必要な酸素を供給するもので、一般的には空気ですがその他に酸素を放出する危険物(支燃物)【1類や6類(硝酸)】、自分自身が酸素を含有している危険物(自己反応性物質)【5類】がある。

「点火源(熱源)」とは静電気の火花、電気火花、衝撃火花、酸化熱等があり、身近なものではライターやマッチの炎や摩擦熱などもありますが、気化熱、融解熱は点火源にならない

燃焼の種類

「気体の燃焼」・定常燃焼

「液体の燃焼」・蒸発燃焼

「個体の燃焼」・分解燃焼・表面燃焼・蒸発燃焼

燃焼しやすいもの

・熱伝導率の小さいもの

・酸素との接触面積が大きいもの。

・酸化されやすいもの。

・水分が少ないもの。

・発熱量が大きいもの。

・消火の三要素

<問題>

消火について、次のうち誤っているものはどれか。

①燃焼の3要素のうち、1つの要素を取り除けば消火できる。

②窒素効果による消火とは、酸素の濃度を低下させて消火する方法である。

③水は比熱及び気化熱が大きいため、冷却効果が大きい。

④セルロイドのように分子中に酸素を含有している物質には、窒息消火は効果的である。

⑤二酸化炭素消火剤の主たる消火効果は、窒息である。

<答え>

<解説>

消火するには燃焼の三要素のうちの1つを取り除くことです。その方法には、「除去効果」「窒息効果」「冷却効果」の3つがあり、これを消火の三要素という。

ポイントは、5類の分子中に酸素を含有している危険物の消火方法は、アジ化ナトリウムのときは窒息消火、それ以外は冷却消火を行う。

・消火設備

<問題>

第4類消火設備として、次のうち正しいものはどれか。

①二酸化炭素を放射する大型消火器

②スプリンクラー設備

③泡を放射する小型消火器

④屋外消火栓設備

⑤粉末消火設備

<答え>

<解説>

区 分 消 火 設 備
第1種 屋内消火栓設備、屋外消火栓設備
第2種 スプリンクラー設備
第3種 水蒸気又は水噴霧、泡、不活性ガス、ハロゲン化物、粉末消火栓設備
第4種 大型消火器
第5種 小型消火器、その他(水バケツ、乾燥砂、膨張ひる石)
地下タンク貯蔵所 第5種消火設備を2個以上設置
移動タンク貯蔵所 自動車消火器(第5種消火設備)を原則として2個以上

危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法

危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法からの出題は10問です。

その中から出題傾向の高い問題について、例題【過去問題】を紹介し解説します。

・危険物に共通の性状

<問題>

危険物の類ごとの共通する性質について、正しいものはどれか。

①第1類の危険物は、強還元性の液体である。

②第2類の危険物は、可燃性の個体である。

③第3類の危険物は、水と反応しない不燃性の液体である。

④第5類の危険物は、強酸化性の個体である。

⑤第6類の危険物は、可燃性の液体である。

<答え>

<解説>

種 別 性 質 状 態 性質の説明
第1類 酸化性個体 固体 物質を強く酸化させる性質。可燃物と混ぜて熱や衝撃を加えると激しい燃焼。
第2類 可燃性個体 固体 火をつけると簡単に燃える。低温(40℃未満)で引火。
第3類 自然発火性物質及び禁水性物質 固体又は液体 空気や水に触れると自然発火。可燃性ガスを発生。
第4類 引火性液体 液体 引火性のある液体。
第5類 自己反応性物質 固体又は液体 加熱による分解反応により多量の熱を発生。爆発的に反応が進行する。
第6類 酸化性液体 液体 物質を強く酸化させる。他の可燃物と混ぜると燃焼を促進。

・第4類の危険物に共通の性質

<問題>

第4類危険物の一般的な性質について、正しいものはどれか。

①引火点を有しないものもある。

②液体の比重は、1より大きいものが多い。

③可燃性蒸気は、低所に滞留しない。

④非水溶性のものは、電気の良導体であり、静電気が蓄積されにくい。

⑤流動性が高く、火災になった場合に拡大するおそれがある。

<答え>

<解説>

・引火性の液体である。

・水よりも軽い。

【例外】

グリセリン、アニリン、ニトリベンゼン、りん酸トリクレジル、二硫化炭素、クレオソートアブラ、エチレングリコール、酢酸

・水に溶けない。

【例外】

エチレングリコール、酢酸プロピレン、アセトン、ジエチルエーテル、酢酸、アセトアルデヒド、メチルエチルケトン、メチルアルコール、エチルアルコール、グリセリン

・電気の不良導体である。

・有機化合物である。

・自然発火するものがある。

・火災拡大の危険性がある。

・蒸気は空気よりも重い。

・第4類の危険物に共通の消火方法

<問題>

泡消火剤の中には、水溶性液体用泡消火剤とその他の一般の泡消火剤とがある。次の危険物の火災を泡で消火しようとする場合、一般の泡消火剤では適切でないものはどれか。

①アセトン

②キシレン

③ガソリン

④トルエン

⑤ベンゼン

<答え>

<解説>

第4類に共通する消火方法は窒息消火で、水溶性の危険物は耐アルコール泡(水溶性液体用泡消火剤)によって消火する。

第4類の水溶性の危険物

エチレングリコール、酢酸プロピレン、アセトン、ジエチルエーテル、酢酸、アセトアルデヒド、メチルエチルケトン、メチルアルコール、エチルアルコール、グリセリン

・第4類の危険物(ガソリン)の性状

<問題>

第4類危険物のうち第1石油類に分類されるガソリンの性状として誤っているものはどれか。

①引火点が-40℃と極めて低く、発火点も300℃と比較的低い。

②燃焼範囲は1.4~7.6vol%である。

③沸点が40℃と低く揮発性が高い。また、蒸気を吸入すると頭痛やめまいの原因となる。

④水に溶けず、ゴムや油脂を溶かす。

⑤伝導性が高く、静電気を蓄積しない。

<答え>

<解説>

ガソリンの性状

・引火点(-40℃)

・発火点(300℃)

・燃焼範囲(1.4~7.6vol%)

・沸点(30~220℃)

・水より軽い。比重(0.65~0.8)

・水に溶けない。

・特有の臭気がある。

・蒸気を過度に吸引すると頭痛、目まいを引き起こす。

・第4類の危険物(第2石油類)の性状

<問題>

灯油及び軽油に共通する性状について、次のうち誤っているものはどれか。

①水より軽い。

②引火点は、常温(20℃)より高い。

③蒸気は、空気より重い。

④発火点は、100℃より低い。

⑤水に溶けない。

<答え>

<解説>

第2石油類の性状

・引火点(40℃以上)常温より高い。

・発火点(220℃)

・燃焼範囲(1.1~6.0vol%)

・沸点(145~270℃)

・水より軽い。比重(0.8)

・水に溶けない。

・蒸気比重(4.5)空気より重く低所に滞留。

・特有の臭気がある。

・水やアルコールに溶けない。油脂を溶かす。

・事故の事例

<問題>

次の事故事例を教訓とした今後の対策として、誤っているものはどれか。

「給油取扱所においてアルバイトの従業員が20リットル入りのポリエチレン製容器を持って買いに来た客に、誤って自動車用ガソリンを販売してしまった。客は、それを石油ストーブに使用したため異常燃焼を起こして火災になってしまった。」

①自動車用のガソリンを灯油と誤って販売する事例は、アルバイト等の臨時職員が対応するときに多く発生しているので、これらの者に対して保安教育を徹底する。

②自動車用ガソリンは20リットルポリエチレン製容器に入れて販売してはならないことを全従業員に徹底する。

③容器に注入する前に、油の種類をもう一度客に確認する。

④自動車用ガソリンは無色であるが、灯油は薄茶色であるので、油の色が薄茶色であることを確認してから容器に注入する。

⑤灯油を小分けして販売するときであっても、危険物取扱者が行うか又は立ち会わなければならない。

<答え>

<解説>

ガソリンオレンジ色に着色、軽油や灯油は無色又は淡紫黄色である。

事故の対策

・誤販売は比較的不慣れな従業員が対応した時に多く発生しているため、従業員の保安教育を徹底する。

・運搬容器には、品名、数量及び貯蔵、取扱いの注意事項を表示。

・20リットル入りポリエチレン容器はガソリンの運搬容器に使用してはならないことを全従業員に徹底する。(ガソリンのポリ容器は10リットル以下灯油30リットル以下の制限)

・容器に注入する前に油の種類を確認。

・油の色を確認

・灯油の小分けであっても、危険物取扱者が行うか、又は立ち会うこと。

まとめ

以上の問題は過去に出題された問題や、あらゆる問題集からの一部を抜粋して解説をしております。

これがすべてではありませんので、より多くの過去問題を繰り返し解くことをお勧めします。

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